2007年02月04日
育児放棄 2

毎週土曜日に彼らが待っている部屋に行くまで『彼らは元気かな?』『ご飯食べたかな?』心配していました。
何回か通ううちに彼らは私にいろいろなことを話してくれました。
『ママのお友達が来たら子供部屋から出られない』
『ごはんはお弁当やパンを買うんだ』
『ママと遊びに行ったことがない』
『みんなパパが違うんだ。』
『お腹が空いたら料理するよ』
『ママやママの友達の言うことを聞かないと殴られる』
『泣いたらお外に出される』
ある時、信じられなかったことがありました。。
毎回ちらかった子供部屋を一緒にかたづけることから私の仕事は始まりました。
いつもベランダに面した部屋は異臭がしていました。
あるとき部屋をかたづけていると、新聞の上に、、、うんちがありました。
なぜ???
子供たちに話を聞くと『ママが昨日はお友達が来るから部屋から出たらいけないって言ったから、おしっこはベランダでうんちは部屋でしたの。。。』
絶句しました。
子供たちはいつもこの部屋に3人でいるんだ。淋しいだろうな。辛いだろうな。
私は母親に対して怒りがこみあげてきました。
どうしても母親と話したかった。
『あなたは間違っている』と言いたかった。
いつも母親は不在で会えなかったから『先生がママと話をしたいから電話をくれるように伝えてくれる?』と子供たちにおねがいしました。
しかし、ずっと会えなかった。
『先生一緒に公園に行こうよ』
『先生一緒に買い物に行こうよ』
子供たちは淋しさを紛らわせるように私に甘え、たくさんおしゃべりをしてくれました。
家庭教師は勉強を教える仕事でしょ?って思ってる人からは怒られるかもしれないけど、私は何度か彼らを連れて公園に行き一緒に遊びました。
子供たちの楽しそうな笑顔を見ると複雑な気持ちになりました。
私がまた来週来るまでだいじょうぶかな?どうにかしてあげられないかな?
彼らは別れの時間になると悲しい表情になり胸が締め付けられました。
3ケ月後、母親と話す機会がありました。
子供たちがかわいそうだから愛情を与えてほしいと伝えました。
しかし母親は『子供は欲しくて生んだのではない!堕ろすお金がなかったから生んだんだ。私だってまだ遊びたかったのに、私のほうが迷惑!』と言い放ちました。
『お金払ってるんだから子供のめんどうみたらいいやろ!』
私は子供たちを連れて帰りたかった。
なんて私は無力なんだろう。
近くの交番にも相談に行ったが、対応はいまいち。。。
その後、家庭教師の契約を打ち切られた。
子供たちが心配でたまらなかった。
私はどうすればよかったんだろう。
これは10年以上前の話です。
あの時の子供たちは今たぶん高校生くらいになってるはず。
元気だろうか?彼らが住んでいた場所のそばを通るたびに思い出す。
幸せになっていてほしい。
育児放棄をしている家庭を見つけたら声をかけるように努力してほしい。
みんなが自分のまわりを視野を広げて見回してほしい。
最近のニュースに出てくるような悲劇の連鎖を断ち切ろうよ。
ニュースの中だけではなくてもしかしたら私たちのまわりにも子供たちがサインを出しているかもしれないよ。
Posted by ねえさん at
21:35
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